はじめましての方が、政治や社会、グローバルな話が好きなことってありますよね。
そんな時にも焦らずに、自分からも話題を提供できたらいいと思います。
中国のゴマ信用というシステムを知っていますか
“芝麻信用(ゴマしんよう・Sesame Credit)”とは、中国においてトップシェアにある「 ALIPAY(アリペイ)」のアプリに付いている機能の一つです。
簡単に説明すると、個人に350〜950点の信用度を採点され、点数が高い人ほど様々な場所で優遇されるというもの。
その点数は、「学歴」「資産」「返済」「人脈」「勤務先」「行動」(ショッピング・金融商品の利用状況や公共料金支払い状況)の5つの組み合わせで計算されます。
そしてこれは、近未来の世界の悪夢とも言われています。
ALIPAYで支払えるもの
ALIPAYによって支払えるものには、コンビニ、スーパー、屋台などなどの各種支払い、ネットショッピング、家賃、税金、保険料、公共料金、公的支払い、反則金、年金、友達との割り勘、など多岐にわたります。
ゴマ信用は、その支払い状況などにより、信用を点数化します。
350~549点は劣る
550~599点は普通
600~649点は良好
650~699点は優秀
700~950点はとても優秀
という5つのランクに分けられます。
また、スコアの高いユーザーには、様々なメリットがあるため、人々はより高い点数を目指しています。
高得点ユーザーのメリット
信用スコアが一定以上であれば、ホテルやレンタカー、レンタル自転車をはじめとする様々なレンタル品などでデポジットが不要になります。
その他、
・ローンの金利が優遇される
・お見合いや商談の席などで信用の証明に活用
・一定スコア以上の人しか参加できない婚活パーティや就職試験などの機会を得られる
・ビザ取得手続きが簡単になる
・出国時に専用レーンの使用が可能
などのサービスが受けられます。
どんな行動をとるとゴマ信用が下がるのか
犯罪歴などはもちろん、その他
・支払いが滞る
・トラブルを起こす
・ホテルの備品を持ち帰る
・レンタル品の未返却、期限超過、未精算
・交通違反
などで信用スコアは下がります。
アリババの社長はこのように話します。
「1日に10時間もパソコンゲームをしていれば怠惰な人間とみなされるだろうし、紙おむつを頻繁に買っていればよい親だと思われるだろう。前者は後者より低いスコアしか得られないかもしれない」
また、政府は「信用を下げる重大な行為」に関わった169人を対象に、1年間にわたって鉄道の利用を禁止する決定を下したと明らかにしました。
しかもウェブサイトでは、169人全員の氏名が公開されているとか。
何をしたのかはわかりませんが、逮捕されるようなことではない、ということですよね。
鉄道が使えない、というは大変なことではないでしょうか。
スコアが高ければデートの相手を見つけるのも簡単
マッチングアプリ「Tinder」を運営するMatch.comが出資することでも知られる「珍愛網(Zhenai.com)」は1億5,000万人が登録するマッチングサイトです。
ゴマ信用で高スコアをもっていれば優先的に相手を紹介してもらえるそうです。
また「百合網(Baihe.com)」では、同意があればプロフィールにスコアを表示できます。
ドキュメント番組でインタビューに答えていた中国の学生は「実に便利でファッショナブルなシステムだと思う」と回答。彼のスコアは750点以上の高得点でした。
その番組では何人もの中国国民がインタビューされていましたが、点数の低い人が出てくることは最後までありませんでした。
たった一度の失敗でスコアが低くなってしまった人もいるはず。
そのような人たちはどのように考えているのでしょうか。
街の防犯カメラが顔を認識し、交通違反者は自動的に点数が下がる
ゴマ信用が広がるにつれて、今まで問題のひとつとなっていた街の放置自転車が減ったようです。
それは良いことかもしれません。
しかしそもそも監視されなきゃできないのが問題なのではないでしょうか。
仕事中からプライベートまでも完全監視される日がくるのは、そう遠くはないのかもしれません。
トランプの大富豪で遊んでいた時のことを思い出した
子どもの頃、よく思っていたことです。
ゲームが終わったとき、次の回のゲームにいくときに
大貧民はなぜ一番強いカードを2枚も大富豪に渡さなくてはいけないのだろうか。
テレビ番組の取材に答えていたのはスコア750点以上の人ばかりでした。
これでは格差が広がるばかり。
下克上のような、点数が下の人でも頑張れるルールができることに期待します。
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