美女がベッドに侵入してきて携帯を
盗んでいった事件。バタバタしたせい
で私たちは観光する時間がなくなった。
1日でラトビアを周る、その優先順位。
作家志望、24歳、イギリス3ヶ月目
美女携帯盗難事件から一夜。観光の時間が少なくなってしまったわたしたち。
しかしラトビアは、町が小さくまとまっていることもあって、1日でも周ることが可能だ。
ということを信じて、出発。
まずは、何としても見たかった、アールヌーヴォー地区(Art Nouveau District)
アール・ヌーヴォー建築は至るところに散らばっている。
まとまって見ることができるのは、アルベルタ通り(Alberta iela)とエリザベテス通り(Elizabetes iela)というところ。
曇っているのが残念だね、と言うと、広末くんは、これはこれでかえって趣があるよ、とシャッターを切っていた。
そしてお次は、有名な三兄弟。
市内でもっとも古い住宅のひとつ。
マザーピルス通りに面して3棟並んだ3兄弟。
長男は一番右側で、15世紀に作られた。
当時は窓のサイズによって窓税というのが徴収されたので、窓が小さくなっている。
ラトビアに現在残存する一般住宅では、長男が最も古いらしい。
真ん中の建物が次男で、17世紀にマニエリスム様式として建築。
窓税が廃止され、窓が大きくなっている。
その代わりに、間口税というのが導入されたことにより、今度は玄関部分がかなり窮屈な構造になっているらしい。
三男は17世紀末にバロック様式として建設される。
現在は真ん中に建つ次男が建築博物館として内部が一般公開されている。
「いつの時代も、税金税金」
「そう、納税のために僕らは生まれてきたんです」
「夢のないこと言わないでよね」
詳細情報はこちら。
英語名:Three Brothers (Latvian Museum of Architecture)
住所:Rīga, Mazā Pils iela 19, LV-1050
開館時間:
月 9:00 – 18:00
火水木 9:00 – 17:00
金 9:00 – 16:00
土日 閉館
入場料:無料
HP:http://www.archmuseum.lv/
お次は、市庁舎広場のブラックヘッド。
中世に存在した独身ドイツ人男性のギルド(組合)のことで、この建物も14世紀頃リガに暮らしていたギルドメンバーの為に建設されたとのこと。
正直説明を読んでも、何が何だか分からなかった。でも綺麗な建物だった。
かつてはコンサートホールとして使用されていて、豪華な内装も見学することができた。、現在はラトビア大統領官邸として使用されていて、一般人が立ち入ることは出来ないそう。
英語名:House of the Blackheads (Blackheads House)
住所:Rātslaukums 7, Rīga
HP:http://www.melngalvjunams.lv/
そして外せない、リガ大聖堂。
午前中曇っていた天気も、晴れてきた。
英語名:Riga Cathedral
住所:Herdera laukums 6, Rīga, LV-1050
入場料:3ユーロ
開館時間:
10月~6月 10:00 – 17:00
7月~9月 9:00 – 18:00 (水・金のみ17:00)
URL:http://www.doms.lv/index/
コンサートプログラム:http://www.doms.lv/events/
その他、わたしたちは周ることができなかったけれど
できれば行きたかったのはこの二つ。
火薬塔(ラトビア博物館)Pulvertornis
ラトビアに唯一残る14世紀から残る中世の火薬塔。
高さ26m、直径20m、壁の厚みは2.5mもあり、その重厚さからソ連軍による侵攻にも耐え抜くことができたとか。
その際の銃弾が多数壁に埋め込まれているのを見ることができる。見てみたかった。
住所: Smilšu iela 20, Centra rajons, Rīga, LV-1050, Latvia
入場料: 無料
公式HP: Pulvertornis
砂吹が行きたがっていたのが
スウェーデン門(Swedish Gate)
1698年にスウェーデン軍兵舎の前に建設された通路で、その名は、スウェーデン兵が城壁の外の宿舎と行き来するためによく利用したということに由来している。
その昔、リガの住人は外国人と接することを禁止されていた時代があった。
その時に、一人の若い女の子がスウェーデン兵と恋に落ち、この門で密会を重ねていたところ、それが発覚してしまい、この壁に埋め込まれて処刑されたという言い伝えがあるらしい。
そのことから、この門を通りと女の子のすすり泣きが聞こえると言われている。
なぜ男子はこういうのが好きなのか。
しかし、興味のある方はぜひ!
住所: Atgriežu iela, Centra rajons, Rīga, LV-1050, Latvia
「見て、ブレーメンの音楽隊!!」
「ブレーメンって、ラトビアだったんだな」
携帯に目を落とす。「ちがうみたい。ドイツだって。ドイツのブレーメンから、姉妹都市として寄贈されたんだって」
「みんなが撫でるから、頭や鼻先がピカピカに光ってますね」
「おいおい、一番上の鳥まで光ってるぞ」
「たしかに結構な高さだけど、外国人さんは大きいもんね」
「ブレーメンの音楽隊って、どういう話か知ってますか」
「そう言われると、詳しくは知らないかも。こうやって動物が重なって、誰かを驚かすんだよね」
「落ちこぼれの話だろ」砂吹がぶっきらぼうに言う。
またそういうこと言って、と口にしようとした瞬間、広末くんが目を見開いた。
「正解です。さすが、よく知ってますね」
「どういうこと?」
またわたしだけが理解できていない。
次回はブレーメンの音楽隊にまつわるShort Film
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