STORY 9 「死神NY」


    

#9 『死神NY』










右を見て、左を見て
もう一度右を見てから
手をあげて渡りましょう




パパのせっかくの教えを、おまえは無視した




おまえはどうして右だけ2回見るのかと
いつも不思議に思っていた




おまえの死因は
右だけ多く見たら、左が可哀想だから
右と左を2回ずつ見よう、という
可愛らしい心がけだ














A Girl Story 9
「死神NY」














パパの突然の海外勤務に振り回されて
おまえも疲れていることだろう
まもなくだ


知っているか


交差点には、一瞬だけれど


すべての信号が赤になるタイミングがある






Perfect Time






今ならおまえは
縦にも横にも、斜めにだって進むことができる






“あなたは、死神?”






そんなことはどうでもいい


ようするに


チャンスはいつだって危険と隣り合わせで


おまえの勇気に見合った褒美を、オレは用意するだけだ














少女はいつものように
右、左、右、左、と
2回ずつ確認をした。




手を上げて渡ろうとしたその時
左から、猛スピードで一台の車が通り過ぎて行った。




少女はポンと手を打った。




“そうか!
いつもは車道を横切る時、まず右から車が来るんだ。
だから、最後に右を見るんだ”














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ちっ、運の良い奴め



















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